本投稿にて、
昨月10月に発売された3冊のSwift本の紹介は最後になります。
タイトル:Swiftではじめる iPhoneアプリ開発の教科書 【iOS 8&Xcode 6対応】
出版社 :マイナビBOOKS
発売日 :2014/10/31
URL :https://book.mynavi.jp/ec/products/detail/id=28840
今回は昨日私の元に届きました本書について、
既に発売されている他の2冊との比較も含め、どれも実際に読み込んだ上での自身による見解を示したいと思います。
まず本書の特徴ですが、
第一にイラストをふんだんに用いた分かりやすい解説が挙げられるでしょう。
このような構成は今までの既刊のシリーズでも有名で、本書でもその流れを汲む形であり、
イラストについては同じくイラストレーター / 漫画家の「まつむらまきお」さんという方が担当されています。
本書がどういったデザインになっているのかについては、
上述の出版社のURLまたはAmazonの販売ページから実際の書面の画像にて確認できますので、ご興味のある方は是非アクセスしてみて下さい。
なお出版社のページの方は、掲載されている画像が4枚だけですが、
Amazonのページの方はそれら4枚の画像も含んだ計19枚が掲載されていますので、
これについては得られる情報が多いAmazonのページからご覧になるのをオススメします。
↑
マイナビBOOKS様によるページ
Amazonによる販売ページ
↓
次に第2の特徴で、これは布留川さんの本(2014/10/23発売)と木下さんの本(2014/10/24発売)との比較になってしまうのですが、
Xcode 6.0から6.1での変更点に対する対応が最も丁寧であることが挙げられると思います。
実際に本書のサポートサイトをご覧頂くと分かるのですが、
上の2冊については各出版社によるサポートページにて、Xcodeのバージョン6.0から6.1に対する一方向へ対応させたソースコード1つのみを公開しているのに対し、
本書ではバージョン6.0および6.1の両方のXcodeに対応させるために2つのソースコードを公開しています。
これついてですが、
私としては本書もXcode 6.1における対応についてはWebにて情報が公開されることは想定の範囲内だったのですが、
Xcode 6.0から見るとSwiftのどういった仕様変更が要因でソースコードに変更が生じるのかについて、実際の修正方法に加えその意味を解説する目的の補足情報のページまで公開されることは想定外でした。
このようなサポートについては、私からは想定できなかったことから正直意外であり、
同時に同書におけるプログラミングやユーザサポートに対する姿勢について、個人的に好感が持てました。
・おわりに
では本書を含む昨月10月発売のSwift本3冊について、
もう少し掘り下げてお話したいと思います。
まず実際に読んでみて気がついたことなのですが、
3冊共通の内容としてTwitterクライアントの作り方が掲載されていることが挙げられます。
これらはどれもiOS標準のSocialフレームワークを用いて作るように紹介されていますので、
読み比べてみると各書籍の指導方針の違いが如実に現れて面白いかもしれません。
またFacebookのクライアントについても、Twitterと同じくSocialフレームワークを利用することで作ることが可能なのですが、
こちらについては布留川さんの本には掲載されていませんでした。
iOSで動作するSwiftのサンプルコードとしてはFacebookよりもTwitterの方が、
私もそのように感じますように、どちらかと言うと人気や需要があるという表れなのでしょうか?
(ちなみにiOSですが、
初期の時点からTwitterおよびFacebookをOSレベルでシステムに組み込まれる形で標準サポートしていたのではなく、
TwitterについてはiOS 5から、FacebookについてはiOS 6からのサポートとなっています。)
次に、3冊全てを実際に購入してSwiftの学習に充てている私から、
これらそれぞれから見て他と差別化できると感じる特徴や要素などを紹介したいと思います。
もちろんこれら全てにおいて、新プログラミング言語であるSwiftに対する大本の解説についてはどの書籍も不足の無いレベルにページが割かれていますが、
どれも1冊3,000円近くすることから3冊とも手元に用意するのは厳しい面もあると思いますので、
本投稿をきっかけにどれか一冊でも目を付けてみる、または購入してみるといった指針になりましたらと思います。
あくまで私個人の意見であることを承知の上でお聞きいただきたいのですが、
端的に申し上げると各書籍の読者層としては以下の表現が相応しいのでは?と思います。
1.布留川英一 著「iPhone/iPadプログラミングバイブル Swift/iOS8/Xcode6対応」
3冊の中ではSwiftの文法説明に割かれている文量は最も少ないものの、逆にiOSで動かせるサンプルコード集としては今までと変わらず最強であるため、
iOSプログラミングにおける熟練者向けとしてオススメします。
2.木下誠 著「たのしいSwiftプログラミング」
3冊の中では最も間口が広く、同時に最も挑戦の敷居が低いことについて疑う余地がありません。
またどんな些細な点であっても、実際にMacを操作する際の画面のスクリーンショットを用いて解説する姿勢が貫かれており、
さらに極めつけには著者自らがYouTubeにて本書と連動する解説動画を用意している(書籍の発売後も更新あり)こともありますので、
本当に何の予備知識のない方であっても安心感が持てるのでは?と思います。
具体的な例を挙げますと、
3冊の中ではこの本でのみ、どのようなMacを購入するべきか?という一般の方の目線からも触れられているレベルです。
このような点から、プログラミング自体が初心者である方にオススメします。
3.森巧尚 著「Swiftではじめる iPhoneアプリ開発の教科書 【iOS 8&Xcode 6対応】」
布留川さんの本には及ばないもののサンプルコードの量が豊富であり、また全体を通して理解を助けるイラストによる丁寧な解説がされていることから、
上の今までの2冊の要素を併せ持った本であると思います。
また「このように記述すれば動く」というレベルに留まらず、アプリを自作する上で避けては通れないプログラミングの概念(オブジェクト指向etc)やそれを支える仕組み(フレームワーク、デリゲートetc)といった「アプリを設計する考え方」についても解説が豊富ですので、
私も感じることなのですが、「アプリ開発者として今後自力で応用を利かせていく上で必要な要素」についても触れられることが心強いです。
以上のことから、これら3冊のうちどれを選ぶべきか悩んでいる方に対し、
様々な方面における面倒見の良い本書が向いているのではないでしょうか?
そして最後に、
申し遅れるような形になりますが本書の帯には以下のように記述されています。
「iPhoneアプリの作り方」+「Xcodeの使い方」
+「Swift言語によるプログラミング」がまとめて習得できる、
本格派入門書!
まさしく、本書の内容はこの一文の通りであると感じます。
ただ一つだけ小言を申し上げるのであれば、
来月12月に発売される2冊のSwift本の紹介記事でも触れた内容であるのですが、Xcode 6.1の内容に対し初版の書面では完全対応できていないと言えるでしょう。
ただこの点につきましては、
既に触れましたように本書ではXcode 6.0と6.1の両方に対応できるようにWebページにてサポートされていますので心配には及びません。
ですので、
現状ではXcode 6.1に対するサポートが不安で参入を控えている方に対しても、来月12月に発売する2冊のSwift本を待たずして先に始める価値が本書にはあると断言できるでしょう!
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